注1)ディスプレイの薄型・軽量化や曲面形状の実現に向けては、ガラス基板を研磨して薄くする方法もある。例えば、台湾Industrial Technology Research Institute(ITRI)と米Corning社は共同で、厚さが100μmのガラス基板上にロール・ツー・ロールで回路を形成する技術を開発している。また、篠田プラズマが開発した曲面ディスプレイのように、ガラス管を並列に配置して平面を構成したものもある。ただし、あらゆる形状の物体に貼り付けられるほど薄いディスプレイを実現するためには、プラスチック基板が最も適している。そこで本稿では、プラスチック基板を用いたディスプレイについて議論する。なお、プラスチック基板を用いたパッシブ・マトリクス駆動のディスプレイは以前からあるが、本稿では高精細・高画質表示に向くアクティブ・マトリクス駆動のディスプレイに焦点を合わせる。
「薄型・軽量・割れにくい」を目指した、曲げられるディスプレイが盛んに開発されている。2012年6月以降に学会や展示会などで発表された、アクティブ・マトリクス駆動ディスプレイの代表的な開発事例を示した。*1は、米Arizona State University。*2は、2013年4月に25ppiのアクティブ・マトリクス駆動での発光を実証しており、2013年秋に100ppiのディスプレイを開発予定。