世界遺産目指す炭坑の産業遺跡

 万田抗は1997年に閉山した国内最大級の炭鉱である三井三池炭鉱の鉱口の1つだった。万田抗自体は1951年(昭和26年)に閉抗したが、跡地には1908年(明治41年)に建設された第二竪坑櫓(地下坑内につながる作業員昇降用ゲージを吊り下げるための鉄塔)やゲージを昇降させるのに使ったワイヤー巻き上げ機などの施設や設備がいまも当時の姿をとどめている(図3、4)。日本の近代化を支えた産業遺跡としても注目され、地元自治体などは、鉄や炭鉱、造船などをテーマにした「明治日本の産業革命遺産」の1つとして世界遺産登録を目指した活動を続けている(図5)。昨年9月にはユネスコへの日本政府推薦が決まった。

図3●万田坑の第二竪坑櫓(出所:日経BP)
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図4●ゲージを昇降させるワイヤー巻き上げ機(出所:日経BP)
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図5●地元では万田坑の世界遺産登録を目指している(出所:日経BP)
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