家庭で使える超音波診断装置――。こうした機器開発を手掛けているのは、2014年5月26日に東京都内で開催される「次世代医療機器サミット2014」にも登壇する、ベンチャー企業のグローバルヘルスだ。同社は今、乳がん経験者が、簡易に再発のスクリーニングをしたり後遺症の一つであるリンパ浮腫の状態を確認したりするための超音波診断装置の開発を進めている。

グローバルヘルスの田中氏

 グローバルヘルスは、産業技術総合研究所(産総研)の技術移転を受け2004年に設立された企業。産総研出身の技術者の他、これまで医療機器や画像処理技術の開発に携わっていた技術者が在籍する。当初は、脂肪や筋肉の状態を家庭で確認する「健康機器」の用途で超音波関連機器の開発を進めていた。

 しかし、2010年にある大学病院の医師と出会った際、思わぬ話を耳にしたことから、医療用の超音波診断装置開発へと舵を切ったとグローバルヘルス 代表取締役の田中寿志氏は語る。具体的には、「手で触ったときの硬さで、リンパ浮腫の状態を患者自身が把握していることを知った」(同氏)。もともと、筋肉の硬さを測るためのプローブ技術を開発していた同社は、その技術をリンパ浮腫の状態確認に活用できると考えたのだ。