JX日鉱日石エネルギー・仙台製油所は、東北地方で唯一の製油所として、地域への石油製品の供給に重要な役割を果たしてきた(図1)。2011年3月11日14時46分、東日本大震災が発生し、全装置が緊急停止。15時45分には大津波により、150万m2もの敷地全面が冠水した。20時頃には爆発音とともに火災が発生し、周辺住民に避難指示が出る事態となった。

図1●JX日鉱日石エネルギー・仙台製油所の全景
(出所:JX日鉱日石エネルギー)
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 3月15日には鎮火したが、石油製品の出荷を再開できたのは5月になってからだった。復興計画では、防災対策の強化が大きなテーマとなった。石油製品の供給再開に1カ月以上も要したのは、タンクローリー出荷設備が地盤の低い西地区にあり、津波の被害が甚大だったからだ。そこで、タンクローリー出荷設備を地盤の高い東地区に移設し、空いた西地区に出力1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「仙台製油所メガソーラー」を建設することになった(図2)。

図2●出力1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「仙台製油所メガソーラー」
(出所:JX日鉱日石エネルギー)
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