世界大手の医療機器メーカーである米GE Healthcare社。X線CT装置やMRI、超音波診断装置といった画像診断機器で高い世界市場シェアを誇る。実は同社は、日本に生産工場(日野工場)を持ち、その価値を最大限に生かす戦略を打ち出している。同社が日本に生産工場を持つ狙いと、筆者が見学した日野工場のX線CT装置の生産ラインの様子を紹介する。


 

 「日本のニーズに対応した製品を開発し、それを世界に展開する」――。

 世界大手の医療機器メーカーである米GE Healthcare社。同社は、冒頭のような方針を掲げ、日本の位置付けを重視する。同社はこのコンセプトを「IJFG(in Japan for Global)」と呼び、“日本発”の製品戦略を進めている。日本が世界に先駆けて超高齢化社会に直面することなどを背景に、多様なニーズを日本の市場から吸い上げることを狙う。