価格は899元(約1万1000円)と安い(表2)。インターネット上では、700元を切る価格で販売されることもあるようだ。搭載する液晶パネルは3.5型(320×480画素)で、DRAM容量は256Mバイト、背面カメラは320万画素で前面カメラは搭載しない。価格に見合った仕様といえる。

表2 主な仕様
液晶パネルやDRAM容量にコストダウンの跡が見られる。
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 特筆すべきは、搭載するLiイオン2次電池の容量だ(図7)。Coolpad7260+の電池の容量が1400mAhなのに対し、Lenovo A300の電池の容量は2000mAhである。電池の外形寸法は、本体の寸法からは不釣り合いなほど大きい。電池は、Coolpad7260+の電池と同じく、ラミネート型ではなく外装に缶を使った角型品だった。メーカー名は不明だが、大手メーカー製だと推定される。中国の小規模メーカーは、大容量の角型電池を作る技術を持っていないと考えられるためだ。

図7 2次電池の比較
Coolpad 7260+では1400mAhなのに対し(左)、Lenovo A300は2000mAh(右)。
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 もう一つの特徴は、SIMカード・スロットを2基搭載していることである。図6の画面上でもアンテナ表示が2個あるのが分かる。このあたりは、いわゆる“山寨機”の特徴を受け継いでいる。SIMカード・スロットとの干渉を避けるためか、microSDカード・スロットは跳ね上げ式になっている(図8)。

図8 microSDカード・スロット
SIMカード・スロットと干渉しないようにするためか、跳ね上げ式になっている。
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 分解してみると、米Apple社の「iPad」などと同じく、前面ガラスと一体になったタッチ・パネルと液晶パネルの間は接着されていなかった(図9)。全体的に部品点数が少なく、シンプルな構造になっている。

図9 分解したところ
Apple社のiPadと同様に、タッチ・パネルと液晶パネルは接着されていない。本体の大きさの割に2次電池が大きいことが分かる。
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