世界のスマートフォン市場で、中国メーカーの存在感が増している。その中から、Samsung社のような世界的な端末メーカーが生まれるかもしれない。部品メーカーは、将来の有望企業に今から食い込んでおく必要がある。
中国の携帯電話機といえば、無線機器としての認可を取得せずに販売される、いわゆる“山寨機(シャンジャイジ)”を思い浮かべる人が多いだろう。たしかに少し前までは、中国の携帯電話機は山寨機が席巻していた。しかし、ここ最近急速に中国で市場が拡大しているスマートフォンでは、この構図が一変している。きちんと政府の認可を取得した正規品を販売する中国メーカーのシェアが、大幅に上がってきたのだ(図1)。
2012年1~3月の中国スマートフォン市場のメーカー別シェアでは、1位こそ韓国Samsung Electronics社だったものの、2位に中国Huawei Technologies社(華為)、4位に中国ZTE社(中興)、5位に中国Lenovo社(連想)、7位に中国Yulong Computer Communication Technology社(宇竜)と、4社の中国地場メーカーが10位以内に入っている。4社合計のシェアは37.0%と全体の3分の1を超える。台湾工業技術研究院 Industrial Economics&Knowledge Center(IEK)によると、中国メーカーの合計シェアは2010年が6.6%、2011年が24.5%であり、短期間で急激に伸びている1)。