EL検査とI-V測定の結果は、全製品に付けたシリアル番号ごとに管理し、データをネクストエナジー本社に送る。日本で検査結果をすべてチェックし、出荷許可を出したものを日本に搬送するという仕組みにした。ネクストエナジーは、生産委託先の工場に対し、部材の納入検査や製造装置の条件検査にも、独自の基準を求め、受け入れてもらった。

 検査条件を厳しくすれば、不良率が上昇して歩留まりが悪化する。工場にとっては、コストアップだ。そこで、「あらかじめまとまった購入量を提示することで収入の安定化を約束して理解してもらった」(志波部長)と言う。ただ、不良率を下げる改善策などを提案し、工程を見直すなかで、徐々に歩留まりは改善していったという。ネクストエナジーの基準に変更した当初、不良率は30%まで悪化したが、現在では数%にまで下がり、結果的に品質向上とコストダウンを両立できたという。

 生産工場での品質管理と並行して、製品を受け入れる日本国内でも検査体制を強化した。製品設計や生産プロセス、部材を変更した場合、EL検査、I-V測定、絶縁試験などのほか、高温高湿槽に長期間、曝露させる加速試験を実施している(図6)。設計や生産に変更がなくても半年に1回は、検査するという。

図6●加速試験に使う高温高湿槽
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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