中古パネル事業で検査・評価ノウハウを蓄積

 ネクストエナジーは、2003年12月に創業した再生可能エネルギー分野のベンチャー企業。2005年に国内で初めて、中古の太陽光パネルを事業化したり、2008年にグリーン電力証書の販売サイトを立ち上げたりするなど、従来の枠にとらわれない独創的なビジネスモデルを構築してきた(図2)。並行して、中古パネル事業で培った評価技術などを強みに、太陽光発電設備のシステムインテグレーション(SI)事業やEPC(設計・調達・施工)、O&M(運営・保守)サービスに展開してきた。当サイトの「トラブルシューティング」コラムで、7回にわたってその検査・保守などに関するノウハウの一端を紹介した。

図2●パネルのリユース事業のためにネクストエナジーが仕入れた中古パネル
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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 早くから設備機器などの販売にも乗り出し、PCSや架台はドイツのトップメーカーなどと販売代理店契約を結んだ。技術的な蓄積の多い太陽光パネルに関しては、中国の太陽光パネルメーカーをOEM(相手先ブランドによる生産)先として生産委託し、2011年から産業向けに自社ブランド製品の開発・製造に乗り出した(図3)。

図3●ネクストエナジーの倉庫に搬入された太陽光パネル
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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 「生産委託先の選定に当たっては、品質管理に前向きで厳しい検査条件を受け入れてくれ、向上心と資金力のあるメーカーを探した」と、ネクストエナジー・カスタマーサポート部の志波誠士部長は言う。最終的に浙江省に本社を置く2社とOEM契約を結んだ。これら2社は、それぞれ年間で500MW以上の生産能力を持つ工場を持ち、欧州には自社ブランドで販売している。単結晶シリコン型パネルに関してはシリコンのウエハーを購入しているが、多結晶シリコン型ではインゴットの製造からセル(発電素子)、パネルの組み立てまで一貫生産している。欧州市場の縮小に伴い販路の拡大を模索し、急速に立ち上がった日本市場に関しては、ネクストエナジーと提携して、OEMメーカーとして販路を開拓することになったという。