大阪府堺市に本部を置く大阪いずみ市民生活協同組合は、組合員数45万3257世帯(2013年3月末時点)、2012年度の供給高690億円と、市民生協として全国有数の規模を持つ。活動エリアは、東大阪市から岬町までの大阪南部地域になる。エリアの中央にあたる和泉市には、2つの大きな物流拠点がある。「テクノステージ物流センター」と「あゆみ野物流センター」だ。前者は2003年に設置した保冷機能のある施設で、後者は2012年に完成し、常温専用になる。

図1●「テクノステージ物流センター」の屋根に設置した出力1.3MWのメガソーラー
(出所:大阪いずみ市民生協)
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図2●「あゆみ野物流センター」の屋根に設置した出力1.0MWのメガソーラー
(出所:大阪いずみ市民生協)
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 大阪いずみ市民生協は、この2カ所の物流センターの屋根の上に、合わせて出力2.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設した。「テクノステージ物流センター」に出力1.3MW、「あゆみ野物流センター」に出力1.0MWだ。固定価格買取制度(FIT)がスタートした2012年7月には着工し、その年の11月に竣工、稼働し始めた(図1図2)。設計・施工は、テス・エンジニアリング(大阪市淀川区)が担い、太陽光パネルは京セラ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 日本生活協同組合連合会は、福島原発の事故を受け、2012年1月に「日本のエネルギー政策への提言」を発表した。提言では、「くらしと地域におけるとりくみ」の中で、「太陽光発電の普及」を掲げている。こうした流れの中、全国の生協は、太陽光発電の設置に乗り出している。なかでも、大阪いずみ市民生協は、その先陣を切ってきた。