東京都府中市にある東芝府中事業所内にある46号B棟と呼ばれる建屋では、太陽光発電システム用のパワーコンディショナー(PCS)が、月産約400台のペースで次々と組み上げられている(図1)。同棟は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)のPCS生産拠点で、同社が東芝から敷地を借りて設置したものだ。TMEICは、2014年度の出荷実績を容量ベースで1.6GWに達すると見込んでおり、中大型太陽光発電システム向け国内PCS市場では、群を抜くトップシェアを獲得している。

図1●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)のパワーコンディショナー(PCS)生産ライン
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は、2012年7月に国内で固定価格買取制度(FIT)が始まる以前から、海外でのメガソーラー(大規模太陽光発電所)建設の動向を見て、大型PCSの開発・製品化に着手していた。すでに2009年には250kW機、2010年には500kW機を発売。現在、太陽光発電システム用PCS「SOLAR WARE」シリーズは、この2機種に加え、100kW機、175kW機、630kW機、665kW機、750kW機を揃え、2013年には米国市場向けに1667kW機を開発、投入した。そのラインナップの豊富さも、競合他社に比べて際立っている。