太陽光発電システムの頭脳とも言えるパワーコンディショナー(PCS)。その役割は、単に太陽光パネルの発電した直流電流を交流に変換するだけでなく、日射量や気温に合わせて発電量を最大化したり、電力系統の状況を判断して、最適制御したりするなど幅広い。PCSトップメーカーは、こうした複雑な制御をいかに高度化し、シェアトップの座を獲得したのか。住宅用からメガソーラーまで、出力規模ごとにトップ企業の強さの秘密を探る。
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パワコン・カテゴリートップ企業、強さの秘密
目次
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<第2回>小型PCSの市場をリードするオムロン
「阿蘇太陽光発電道場」でシステム力を高める
JR熊本駅から豊肥本線の各駅停車に乗り1時間半ほど。阿蘇山観光の玄関口となっている阿蘇駅に着く。オムロングループで、太陽光発電用パワーコンディショナー(PCS)を生産するオムロン阿蘇(熊本県阿蘇市)は、阿蘇駅からクルマで10分ほど、阿蘇五岳を南に望む裾野にある。売上高は138億3000万円(2012…
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<第1回>大型PCSを切り拓いた東芝三菱電機産業システム(TMEIC)
発電量で差がつく、先端のパワエレ技術
東京都府中市にある東芝府中事業所内にある46号B棟と呼ばれる建屋では、太陽光発電システム用のパワーコンディショナー(PCS)が、月産約400台のペースで次々と組み上げられている(図1)。同棟は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)のPCS生産拠点で、同社が東芝から敷地を借りて設置したものだ。TME…