茨城県は、関東各地の工業地帯に近いこともあり、有望な中小企業が操業している。一方で、都心に比べると土地利用に比較的ゆとりがあり、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の計画も増えている。工場内に遊休地を持つ企業の中には、固定価格買取制度(FIT)のスタートを機に太陽光発電による売電事業に乗り出すケースも出てきた。中堅企業のA社もその1つ。自社工場内に2013年8月から、出力1MWのメガソーラーを建設し、発電事業を始めた(図1)。

図1●茨城県内のA社が、自社工場敷地内に建設したメガソーラー
(出所:日経BP)
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 A社は、中小企業ならではの専門的な技術を持ち、大手メーカーなどに幅広く納めている。売り上げは約10億円で、従業員は60人ほどだ。元々、東京都内の工場などで操業していたが、周辺の市街化に伴い、約30年前にいまの茨城県内に工場を新設し、製造拠点を集約した。茨城の工場は敷地にゆとりがあり、1ha以上が有効に使われないまま空いていた。そのため、遊休地の活用に長く悩んでいた。