エネルギー
 

国内法において、誰がどこまで責任を負うのか

産総研 加藤和彦氏、吉富電気 吉富政宣氏の対談 第9回

加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所
2014/03/06 00:00
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――太陽電池モジュールについては、メーカーが15年間や20年間、あるいは25年間以上もの長期間、保証して販売している。前回、指摘があった「太陽電池モジュールの総取り替えの可能性がある発電システム」に対しては、こうしたメーカーの保証の範囲で取り換える事態が起きているのか。

加藤 すでにそのようなケースがあると聞いている。気になるのは今後、太陽光発電システムに何らかの問題が生じた時に、国内法において、誰がどこまで責任を負うのかが、明確に整理されているのかどうかという点である。

吉富 そこは重要な点である。現状では、瑕疵担保責任の時効を過ぎると、最終的には、損害賠償を請求できる原因である不法行為を規定した、民法第709条の取り扱いとなるだろう。

 製造物責任法(PL法)においては、損害賠償の請求権が原則として、3年間に限られている。この期間を過ぎてから、導入した製品に何らかの問題が生じて、損害賠償をメーカーに請求する場合、購入者側に製品の不具合を立証する責任が生じる。こうした立証の責任についても、現在の太陽光発電システムに関連するメーカーの姿勢には、疑問を感じることがある。

加藤 そもそも、PL法や民法は、誰をどこまで守ってくれる法なのか、理解しておく必要がある。

――プロジェクトファイナンスで融資した金融機関などは、それぞれの専門事業者にリスクを負ってもらっており、それでもカバーできないリスクは保険で対応しているため、融資側のリスクは減っていると強調している。

加藤 それは、あくまでもファイナンス上のリスクの話だと思う。生じた問題に対して、どこに原因があるのか、誰に責任があるのか、ということとは別である。

 例えば、第3回で紹介した、太陽電池モジュールが架台ごと引きはがされて、敷地外に飛び出して落下したような事故の際に、万が一、人的な被害や、器物が破損してしまったら、ファイナンス上は保険によって補償されることになるのだろう。

対談する産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター システムチームの加藤和彦氏(右)と吉富電気 吉富政宣氏(左)
(撮影:森田 直希)
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