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 2014年2月19日に化学会館(東京・御茶ノ水)で開催されたデジタルヘルスAcademy「薬事法改正で“スマートヘルスケア”はどうなる? ~ソフトウエアの医療機器化によるスマホ対応センサやアプリの行方とは~」(主催:日経デジタルヘルス)では、最後にオムロン ヘルスケア 学術技術部 学術渉外担当部長の鹿妻洋之氏が登壇した。講演タイトルは「医療機器周辺におけるスマート化の影響と展望」。

 鹿妻氏はまず、「スマートヘルスケア」の考え方について言及。厳密な定義は存在しないが、機器を主とするのか、ITネットワークを主とするのかで、大きく分けると二つの考え方があるとした。このうち機器を主としたスマートヘルスケアは、主にハードウエアメーカーが自らの製品を使ってもらうために、ネットワーク活用を取り込む際に見られる動きだと説明。一方の、ITネットワークを主としたスマートヘルスケアは、主にサービス事業者が自らのサービスに必要な機器(データ)を集める過程でネットワーク活用に乗りだす時に見られる動きだと位置付けた。

 さらに鹿妻氏は、世界のさまざまなスマートヘルスケアの事例を紹介した。その上で、2014年末に施行予定の改正薬事法(医薬品・医療機器等法)で新たに加わった項目である「ソフトウエアの医療機器化」に関連して、スマートヘルスケアの事例をソフトウエアの観点から分類すると、大きく次の三つに分けられるとした。
(1)既存の健康機器・医療機器と組み合わせて表示・解析などを強化するもの
(2)拡張パーツにより、スマートフォンやタブレット端末などの汎用デバイスを健康機器・医療機器に変身させてしまうもの
(3)拡張パーツを組み合わせることなく、スマートフォンやタブレット端末などの汎用デバイスを健康機器・医療機器に変身させてしまうもの

 このうち主に(2)(3)のように、必ずしも医療機器と組み合わせていなくても、「医療機器とみなされ規制対象となる可能性があるソフトウエアが登場してきていることを認識しておく必要がある」(鹿妻氏)と指摘した。