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 2014年2月19日に化学会館(東京・御茶ノ水)で開催されたデジタルヘルスAcademy「薬事法改正で“スマートヘルスケア”はどうなる? ~ソフトウエアの医療機器化によるスマホ対応センサやアプリの行方とは~」(主催:日経デジタルヘルス)では、コンティニュアの大竹氏に続いて東京大学大学院 工学系研究科 医療福祉工学開発評価研究センター センター長の佐久間一郎氏が登壇した。講演タイトルは「海外でのスマートヘルスケアと標準化状況」。

 佐久間氏は主に、IECの医用電気機器に関する技術委員会であるTC62(Electrical equipment in medical practice)の動向について触れた。TC62は、ISOなど他の標準化機構とも連携して、医療機器関連の安全規格の制定を行っている。このTC62で審議される規格は、従来は医療機器・医療システム分野のみだったが、ここにきて、取り扱う範囲が拡張され、健康分野やヘルスケアソフトウエアまで対象になったと指摘した。

 具体的には、2011年9月に開催された総会において、TC62の対象とする機器が「electrical equipment used in medical practice」から「electrical equipment, electrical systems and software used in healthcare」に変更することが決議され、その後承認されたという。「もはや『医療』『健康』は別のものではなく、『ヘルスケア』という広い概念で一つのものとして考えるのが世界標準。ハードウエアとソフトウエアについても同様に、同じ枠組みで考えてく必要がある」(佐久間氏)。こうした規格は、各国の規制当局が参照する可能性を持つため、2014年末に施行予定の改正薬事法(医薬品・医療機器等法)に関する議論にも影響を与えることになると説明した。