1kW当たりの設置コストは鋼材製より安い

 1ユニットに使う角材の重さは140kg。鋼材製架台に比べるとかさ(容積)が大きいため、重いイメージがあるが、鉄製架台に比べると軽いという。実は、「住友林業鹿島ソーラー発電所」の総出力876kWのうち、木製架台を採用したのは全体の3割程度で、残りは鉄製架台で設置した。鉄製架台については、太陽光発電システム全体のEPC(設計・調達・施工)を担当したウエストグループが建設したが、1kW当たりの設置費用は、住友林業が担当した木製架台の方が安くなったという。加えて、「木製架台の部材は意外に軽いので、鉄製の設置より作業が楽」との作業者の声も多く、作業者への負担が小さいことも分かった。

 このほか、住友林業では、木製架台の利点として、鋼材製に比べ沿岸部でも塩害による腐食の心配がないこと、20年後に太陽光発電事業を終えて架台を撤去する際には、バイオマス発電などの燃料に活用して有効活用できること、などを挙げる。同社では、今後、全国で木製架台の採用を提案していく方針で、設置する場所に合わせた構造計算や、地域材の有効活用を視野に入れた提案も考えている。メガソーラー(大規模太陽光発電所)は、雇用創出効果が小さく、地域社会への貢献が常に課題になる。地元産の木材を活用できる余地のある木製架台はそうした視点からも注目されそうだ。

●施設の概要
発電所名住友林業鹿島ソーラー発電所
住所 茨城県鹿嶋市大字平井字灘2276-6
事業者住友林業
売電開始日2013年11月6日
発電容量876kW
EPC(設計・調達・建設)ウエストグループ
太陽光パネルカナディアン・ソーラー製
PCS(パワーコンディショナー)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
木製架台住友林業
■変更履歴
本文中で「住友林業ソーラー発電所」としていましたが,「住友林業鹿島ソーラー発電所」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/2/25]