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メガソーラー探訪

埼玉県東松山市、メガソーラーの隣にブルーベリー

事業収益の一部を使い、エコファーム運営

  • 金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
  • 2014/02/13 00:00
  • 1/2ページ

 埼玉県のほぼ中央に位置する東松山市は、豊かな自然を持つ多くの公園で知られる。だが、東武東上線で池袋から1時間足らずという立地から、人口約9万人のベットタウンでもある。出力約2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「東松山かがやき発電所」は、同市の中心である東武東上線・東松山駅から徒歩30分ほどの住宅地に隣接している。2013年8月に稼働して以来、予想を上回る順調な発電を続けている(図1)。

図1●東松山かがやき発電所の全景。住宅地が奥に見える
(出所:日経BP)
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 同発電所は、市立病院や福祉施設、小学校に隣接し、川を挟んで大規模な住宅街が広がる。敷地に沿って市道が通っており、いまでは周辺住民の散歩コースになっているという。朝夕には、小学生が同発電所の前を歩いて通学する光景が見られる。「都心から1時間足らずの場所に2MWのメガソーラーが稼働したのは珍しい。住宅地に隣接する都市型メガソーラーとして地域に貢献していきたい」。スマートエナジー(東京都千代田区)の大串卓矢社長は話す。同社は、同発電所の企画・開発から施工を手掛け、発電事業の主体となる特定目的会社(SPC)・東松山かがやき発電所(埼玉県東松山市)にも出資した。

事業収益の一部を地域貢献活動に活用

図2●埼玉県立松山女子高等学校の書道部による名板
(出所:日経BP)
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図3●周辺住宅への光の反射を考慮して設置角を10度にした
(出所:日経BP)
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 1月下旬に同発電所を取材で訪れた。その日は、埼玉県内から数十人ほどが、バスで見学に来ていた。フェンスで囲まれた発電所の敷地には、入り口付近に中古のコンテナが2台設置してあり、「太陽の里 東松山かがやき発電所」と毛筆で書かれた名板が掲げてある(図2)。埼玉県立松山女子高等学校の書道部による作品だ。コンテナの中には、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のパワーコンディショナー(PCS)を収納してある。発電所内には、7994枚のシャープ製の太陽光パネルが並ぶ。設置角は10度と小さくした(図3)。「住宅に近いことを考え、太陽光パネルの反射光が家の窓にかからないことを最優先にして設置角を決めた」。スマートエナジーのグループ会社で、同発電所の建設から施工監理、運営を手掛けるスマートエナジーサービスの木原秀治 電気・太陽光施設マネージャーは説明する。

 発電所の名板や設置角は、同発電所の地域への配慮を物語る。加えて、同発電所が取り組む地域貢献策の目玉が、隣接した土地を「エコファーム」として管理し、植栽していることだ。太陽光パネルを見ながら見学コースを歩いていくと、パネルのない空き地に出る。「ブルーベリー植栽」と書かれた立札があるエリアには、膝ほどの高さの苗が1mほどの間隔で均等に植えられている(図4)。「ブルーベリーはうまく根付きそうだ」。木原マネージャーはこう胸をなで下ろす。発電所が稼働してから、ハーブやラズベリーなどいつくかの植物を植えてみたが、根付かずに枯れてしまったものも多かったという。「ブルーベリーが成長してたくさんの実を付けるようになれば、地域の人たちも楽しめる」と、木原マネージャーは期待する。「ブルーベリー植栽以外にも、今後、さまざまな地域貢献活動を企画していきたい」と、大串卓矢社長は言う。

図4●エコファームにはブルーベリーの苗を植栽した
(出所:日経BP)
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 エコファームでの植栽など地域貢献活動の費用は、同発電所の事業収益の数%を充てる計画だ。このルールは、メガソーラーの開発プロジェクトが動き出すなかで、同発電所が東松山市と結んだ協定になっている。メガソーラーとエコファームを合わせると約6haに達する。この土地はすべて民有地だが、埼玉エコタウンプロジェクトの一環として位置づけられ、企画段階から埼玉県と東松山市が全面的に支援してきた。2013年8月17日に開かれた、同発電所の開所式では、埼玉県の上田清司知事、東松山市の森田光一市長、大山義一市議会議長など、行政の長が勢ぞろいした。

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