2013年は車の自動運転技術の開発に注目が集まった。テクノアソシエーツの電子・自動車産業WATCHERによれば、日経テクノロジーオンラインの記事数も2013年に約70件(2013年10月時点)と一気に前年比7倍程度に増えた(図1)。こうした自動運転技術の開発を牽引しているのは自動車メーカーではなく、IT企業の米Googleである。同社は2010年10月に自動運転の公道実験で22万kmを走破したと発表している。

図1 自動運転の特許公開数とTech-On!のクルマサイトにおける記事数の推移
図1 自動運転の特許公開数とTech-On!のクルマサイトにおける記事数の推移
出所:テクノアソシエーツの電子・自動車産業WATCHER2013年12月創刊号

 自動運転の実現には、従来の自動車技術に加え、ITが不可欠である。自動運転技術の開発で先行するGoogle社に特許でキーとなる技術を押さえられれば、自動車メーカーが搭載できる自動運転技術の自由度は狭まる。またGoogle社の特許技術を回避できなければ、同社からライセンスを受けざるを得ない。

 Google社はスマートフォン向けのOS「Android」によって、パソコン向けOSで圧倒的なシェアを握る米MicrosoftからOSメーカーとしての主役を奪いつつある。Google社の狙いが今後重要性を増す車載OSの覇権獲得にあるとしても、他業界の企業に自動運転技術を押さえられることは自動車メーカーにとっては脅威となる。