Googleの特許は2005年から出願、自動運転は2010年以降

 電子・自動車産業WATCHERの調査結果によると、Google社は2005年~2012年の間に22件(2013年1月9日時点では26件)の特許を出願している(図2)。Google社における最初の自動車関連の特許出願は2005年3月である。発明の名称は「User location driven identification of services vehicle」である。この特許は、ユーザーが入力する位置の近くに、タクシーなどのサービス車両が走行しているかどうかの情報を提供するシステムに関連するもので、自動運転とは直接関係がない。

図2 Google社は2005年~2012年の間に22件(2013年1月9日時点では26件)の特許を出願
図2 Google社は2005年~2012年の間に22件(2013年1月9日時点では26件)の特許を出願
出所:テクノアソシエーツの電子・自動車産業WATCHER2013年12月創刊号
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図3 Google社の2011年6月の特許「Sensor field selection」に登場する現在走行実験中の自動運転実験車と同じ形の車の図面
図3 Google社の2011年6月の特許「Sensor field selection」に登場する現在走行実験中の自動運転実験車と同じ形の車の図面
出所:米国特許、特許番号8589014「Sensor field selection」
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 発明の名称に初めて自動運転(automotive driving system)が現れるのが2010年4月である。「User interface for displaying internal state of automotive driving system」と題した特許で、運転者に対して自動運転中に車が取るアクション情報を提供するためのユーザー・インターフェースに関連する技術である。2011年6月の特許「Sensor field selection」には、現在走行実験中の自動運転実験車と同じ形の車の図面が登場している(図3)。この特許は、自動走行中の車のセンシング領域が狭まった場合における自動車の走行モード切り替えに関連した技術である。

日本企業の自動運転に関する特許出願は2000年から減少傾向

 こうしたGoogle社の動きに対して日本メーカーの特許出願動向はどうか。日本企業の国内特許出願は2000年に約140件だったものが、2012年に約30件と減少している(図1参照)。ある意味、日本企業は過去から自動運転に堅実に取り組んできたとも言える。しかし、最近の自動運転に関する各社の発表を見ていると、Google社の自動運転実験の成果に触発されて急遽本腰を入れ始めたと言わざるを得ない。恐らく2013年以降、日本企業の自動運転技術関連の特許出願件数は急増するものと予測される。

 一般道での自動運転がいつ実現されるかは別として、その要素技術は、自動車事故ゼロを目指す車の安全性向上に向け順次導入されていくことになる。その安全性技術の主役が自動車メーカーのものなのか、それとも非自動車メーカーのものなのか、その結果は今後の自動車業界の構造を占ううえで極めて重要なことになろう。