メガソーラービジネスを安定的に運営し、収益性を高めるには、「発電事業者」である運営者が最低限の電気設備の知識を備え、適切な太陽光発電システムを構築・運用するのが前提になる。国内メガソーラー向けパワーコンディショナー(PCS)の最大手である東芝三菱電機産業システム(TMEIC)の技術者で、当サイトのアドバイザーでもある伊丹卓夫氏が、メガソーラーに新規参入した事業者が抱く、いまさら聞けないメガソーラー技術の基本に答えた。

 太陽電池は日光の入射角が垂直に近いほど発電量が多くなるので、最適な設置角は太陽の南中高度の違い(緯度の違い)によって変わってきます。地域による設置角と発電量の関係については、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公開している「日射量データベース」が参考になるでしょう。信頼性が高く、誰でも入手可能なデータです。

 Web上の閲覧システムは、「年間時別日射量データベース(METPV-11)」、「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」、「全国日射量マップ」の三つで構成されています。

 このうち、年間時別日射量データベース(METPV-11)は、日本国内の837地点について、1990~2009年の20年間の日射量データベースを使って、時間ごとの方位角別、設置角別の日射量の算出や、方位角別、設置角別の発電量を推定できるものです。また、降水量や気温なども把握できます。

 こうした情報を、画面上の簡単な操作で得ることができる、使い勝手の良いデータベースとなっています()。

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1月29日の東京の水平面(上)と傾斜角35度(下)の日射量
画面上の簡単な操作で時間ごとの方位角別、傾斜角別の日射量を算出し、方位角別、傾斜角別の発電量を推定できる(出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「年間時別日射量データベース(METPV-11)」)
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