利用コスト、運用負担の少ないクラウドサービス

 smart viewerは、「s-Cloud365」と呼ばれるクラウド環境にアップロードしたレセコンのレセプト情報を、24時間365日どこからでもiPadで閲覧できるクラウド型診療情報閲覧サービスだ。治療履歴や投薬履歴、検査結果などレセプト情報をベースにした診療情報を閲覧できるビューアー機能に加え、バイタル、SOAP、アレルギー、禁忌薬剤などの情報もiPadから入力できる。過去の診療情報が閲覧でき、レセプトチェックで行う縦覧点検確認が可能で、ビジュアル表示で重複検査の確認も可能。バイタル情報はグラフ化されるほか、文字によるSOAP、静止画・動画・音声情報なども登録できる。

SOAP入力画面。最新のiPadなら音声入力も可能
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レセプトデータを基に治療・投薬履歴、検査結果が参照できる
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血圧や脈拍などをグラフ表示する機能もある
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 プラットフォームは、ソフトバンクテレコムが運用するホワイトクラウドと呼ばれるクラウド環境に構築し、ファイル管理にはFileMaker 12を利用している。iPadにFileMaker Goをインストールし、Wi-Fi、3G、LTEの各回線でアクセスして利用する(セキュリティはSSL-VPN)。医療用電子機器を販売する三栄メディシス(本社京都市)が開発し、サービスを提供している。smart viewerは、初期費用9万5000円、iPad1台あたり月額利用料4800円(2台目以降は月額利用料1台1000円、回線利用料は別途必要)と低コストで利用でき、システムの運用管理のための作業負担が少ない。佐々木記念クリニックが導入を決めたのは、このコストメリットも大きかった。「アナログ環境からいきなり本格的なシステムを導入すると、コスト負担が大き過ぎます」(大関氏)。