羊の牧場時代の名残のサイロ

 メガソーラーを建設した土地は、ゴルフ場として活用する以前、日本毛織の祖業である、羊毛紡織に使う羊の牧場や、牛の牧場として使っていた時期がある。その時代の名残が、家畜の飼料を貯めておくサイロである。現在では、太陽光パネルの並ぶ区域の東側は工場、南側は学校、西側は病院になっている(図5)。

図5●メガソーラーの敷地の東側は工場、南側は学校、西側には病院がある
(出所:日本毛織)
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 ゴルフ人口の減少などによって、土地の活用方法を見直す中、土地を平坦に造成して売却し、兵庫県が工業団地として開発する計画も検討されたという。しかし、2008年のリーマンショックなどの影響も受け、最適に活用できる買い手を見つけるめどが立たなくなってきた。その後、2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が施行されることを機に、メガソーラーによる売電事業への参入を決め、同年9月にゴルフ場を閉鎖した。

 計画するメガソーラーがすべて完成すると、出力は16.817MWに達する。第1期分が出力11.035MWで、2013年10月に発電を開始した。第2期分は出力5.782MWで、2014年2月に発電を開始する予定である。設置する太陽光パネルの枚数は、第1期が3万6784枚、第2期が1万8068枚となっている。発電を開始した第1期分は、見込み通りに発電しているという。