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柴垣医院(東京都目黒区):透析医療の業務効率化と安全性向上を実現

FileMakerを利用したデータの一元化とiPadで効率化したラウンド業務

2013/10/04 00:00
増田克善=医療ITライター

 透析専門クリニックの柴垣医院は、メーカー製の透析業務支援システムのデータをベースに、院内のあらゆるデータをFileMakerで一元化。ベッドサイドでの透析業務支援システムとラウンド中で利用するiPad/iPad miniの相互運用により、日々の透析業務の効率化に成功している。

柴垣医院 自由が丘院長の柴垣圭吾氏

 1975年に開院した柴垣医院は、東京都目黒区にある透析ベッド28床を有する外来透析専門クリニックだ。2代目の現理事長・院長 柴垣圭吾氏を筆頭に約20人の看護師、臨床工学士が、午前・午後・夜間の1日3クール制で地域に根ざした透析医療を提供している。また、品川区の戸越銀座商店街に同規模の柴垣医院 戸越(平尾圭市院長)も運営し、両院で約250人の患者の維持透析に務めている。

 同院は、ウルトラピュアと呼ばれる超清浄化透析液、無酢酸透析を実現する重炭酸透析液の使用、血液透析と血液濾過を組み合わせ、全身のかゆみや透析中の血圧低下、疲労感を減少させる効果があるオンラインHDFの全床対応、透析・腎臓専門医と熟練した看護師・臨床工学士によるチーム医療などを透析治療の8つの特徴に挙げている。

 その1つとして、IT化促進も挙げている。「患者さんの診療データや透析データはもとより、物品管理に関わるデータなども一元化し、透析業務を一気通貫で支援する透析室トータルソリューションを目指してきました」。院長の柴垣氏は、これまで取り組んできた業務システム環境の特徴をこう話す。

透析業務の効率化・省力化を目指しペーパーレス化を推進

 透析業務では、患者ごとに透析条件、透析中経過記録、あるいは透析スケジュール、使用資材一覧など多くのドキュメントが存在する。また、透析前準備、透析中、透析後に記入しなければならない項目も非常に多い。業務支援システムを導入・構築する施設も増えてはいるが、大半が手書き用紙による運用を行っている。

臨床工学技士 技士長の市川匠氏

 柴垣医院のIT化推進は、こうした透析業務に関わるペーパーレス化による業務効率の向上が目的だった。「透析業務の中のルーチンワークを効率化・省力化することの手段としてITを活用し、患者さんと接する時間として還元することが目的。まずは、透析業務に関わる情報を電子化し、管理することを目指しました」(臨床工学技士 技士長 市川匠氏)。

 柴垣医院は、5年ほど前に透析支援システムの「Dr. HEMODY」(グリーン情報システムズ)を導入した。同システムは、患者基本情報、透析スケジュール・ベッド管理、シャント(バスキュラーアクセス)記録やアレルギーなどの診療情報管理、検査データや透析前後の体重データの取り込み・管理などを行う。また、透析装置のコンソールと連携し、透析条件を転送するといった機能を担う。その後、オプションシステムである「CARE BOARD」を導入し、手書きで記録していた透析中経過記録をベッドサイドで入力できるようにした。

透析業務の基幹システムであり、FileMakerで利用するデータの基になるDr. HEMODY

 ただ、同システムは透析業務に関わるデータを管理するものであり、透析カルテとしての帳票は印刷して保管していた。そこで同院では、ペーパーレス化を進めるために、カルテ等のドキュメントをスキャンしてPDFやJPG形式で管理する「カルテビューア」(京葉電子工業)を導入。診療カルテ、透析記録、心電図、レントゲン画像など帳票類と画像を一元化し、閲覧できる仕組みを構築した。

 「一定レベルのデータ一元化ができたものの、それらのデータを活用することにより透析業務・看護業務のさらなる効率化、安全性向上でシステム化すべき点は多々あります。それらは透析支援システムのカスタマイズでは対応できず、またメーカーのパッケージ製品には期待できません。そこで、FileMakerを活用し、現場のニーズや業務プロセスに適した業務アプリケーションを開発することとしました」(市川氏)。

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