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HOMEエネルギーメガソーラー国内パネルメーカーの“品質戦略” > <第1回>ソーラーフロンティアの生産革新

国内パネルメーカーの“品質戦略”

<第1回>ソーラーフロンティアの生産革新

宮崎の巨大工場に見る、コストと品質の秘密

  • 金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
  • 2014/01/20 00:00
  • 1/3ページ

 宮崎空港からクルマで30分ほどの宮崎県国富町は、太陽光パネルを設置した住宅の比率が全国的にも高いことで知られる。この太陽光発電の“メッカ”に、ソーラーフロンティア(東京都港区)の国富工場がある。太陽光パネルの生産能力は、年産900MW、1日当たり約1万5000枚を生産することになる。1つの拠点でこれだけの生産規模は、国内はもとより世界的に見ても最大級に位置する。約40万m2に及ぶ敷地に巨大な2つの建物があり、1つが工場、1つが倉庫として活用している。この2つの建屋の屋上には、太陽光パネルが敷き詰めてあり、出力の合計は4MWに達する(図1)。

図1●国富工場の建屋屋上に設置したメガソーラー
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

3つの工場で、年産1GWの製造能力

 ソーラーフロンティアが生産する太陽光パネルは、「CIS型太陽電池」と呼ばれる。結晶シリコン型太陽電池が、結晶シリコン(Si)製の半導体を使うのに対し、CIS型太陽電池は、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)、ガリウム(Ga)、硫黄(S)の5つの元素から構成される化合物半導体を使う。「CIGS型」と呼ばれることもあるが、基本的には同じものだ。高効率の結晶シリコン型太陽光パネルに比べると、変換効率は数ポイント程度低いものの、高温時の発電ロスが少ないことから、相対的に発電量を稼げることなどが評価され、国内のメガソーラーでの採用が相次いでいる。同社は、国富工場のほか、宮崎県で2カ所の生産拠点があり、3カ所合わせると年産1000MW(1GW)の生産規模を持つ。2010年には年産60MWに過ぎなかった生産力が3年で15倍以上に急拡大し、CIS型太陽電池メーカーとしては、世界最大の生産力を誇るまでになった。

 国富工場では、約800人が働いており、そのうち約600人が生産工程に従事する。約150人で1グループを構成し、4直2交代制で勤務し、24時間操業を維持している。実は、同工場はもともと日立製作所グループ会社によるフラットパネルの工場だった。だが、同事業の採算性が悪化したことから生産から撤退し、2009年にソーラーフロンティアが日立から譲り受けた。その際、工場の建屋とともに生産管理を担当していた約300人の従業員も引き継いだ。約1000億円を投じ、そのわずか2年後の2011年2月に現在の生産体制を構築し、2012年7月の固定価格買取制度(FIT)の施行をむかえた時には、「メガソーラー時代」のパネル供給体制を整えていた。「短期間にこれだけ大規模な太陽光パネルの生産設備を立ち上げ、軌道に乗せることができたのは、パネル製造の生産管理設備に加え、生産管理のノウハウを持った多くの人材を引き継げたことが大きい」と、国富工場の掛川一樹工場長は振り返る。

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