デジタルヘルス・レポート
目次
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過疎地域でのオンライン診療、「収入は半減する」
秋田の過疎地域で実証した開業医が語る
「時間の効率活用や患者の医療費削減などのメリットはある。ただし、医業収入は半減する」――。過疎地域で遠隔診療(オンライン診療)の実証試験に取り組んだ開業医の言葉である。
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「フォーミュラリー」の医療費削減効果はどれほどか
聖マリ医大病院の元薬剤部長、地域フォーミュラリーの推進を力説
有効性や安全性、経済性を考慮した医薬品の使用を推奨する「フォーミュラリー」。国内で院内フォーミュラリーを導入する医療機関が拡大しつつある中、地域包括ケアにおけるフォーミュラリーの実践は有効なのか――。
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生活習慣の良し悪しを数式で見える化
横浜市立大の杤久保氏、「ライフスタイル指標」を作成
生活習慣を管理するためには、「ライフスタイルを数値化することが必要」――。横浜市立大学 医学部医学群(健康社会医学ユニット) 特任教授で名誉教授の杤久保修氏は、「LINKAI 横浜金沢ウエルネスセンター・オープニングセミナー」(2018年7月18日)の基調講演に登壇し、こう語った。
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da Vinci手術、保険適用拡大で「直腸がん手術の件数が3倍」に
認定資格のための教育の需要がますます高まる
2018年4月、米Intuitive Surgical社の手術支援ロボット「da Vinci Surgical System(通称:ダヴィンチ)」を用いたロボット支援下内視鏡手術の保険適用範囲が拡大した。保険収載されて1カ月、ダヴィンチ手術は着実に普及していると東京医科歯科大学 医学部附属病院 大腸…
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個別化医療時代の鍵は「モバイルヘルスを活用した臨床試験」
患者の生活に寄り添った薬効評価、メディデータが紹介
「医薬品開発には患者の視点が不可欠。モバイルヘルスを使って患者中心の臨床試験を実現したい」――。クラウドを活用して臨床試験をサポートしているメディデータ・ソリューションズは、そう語る。
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「電子カルテを書くこと」が目的化した医療の打破を
AIの活用で変革は可能か、Ubie阿部氏と都医師会目々澤理事が語る
「ドクターとAIの協力がもたらす医療現場の革新」――。ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は2018年4月20日、そんなタイトルを掲げたイベントを東京都内で開催した。
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内視鏡検査、アイトラッキングで医師の視点を調べてみると…
AI活用で個人差のない検査を目指す
技術の発展によって、高精細な映像の一部を強調することもできるようになったが、これで病変を見落とすことがないと言い切れるのだろうか。そう疑問を抱いた国立がん研究センター 先端医療開発センター 内視鏡機器開発分野長の池松弘朗氏らは、内視鏡検査中の映像を術者がどのような視点で見ているのかアイトラッキングに…
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東京理科大と国がん、共同運営研究室を立ち上げ
双方の意見をぶつけ合う合同シンポジウムを開催
東京理科大学と国立がん研究センターは、2018年4月に国立がん研究センター 東病院の「次世代外科・内視鏡治療開発センター(NEXT棟)」内に共同運営する研究室を立ち上げた。これを記念して合同シンポジウム「ハイパーアシスト医療―ヒトの技を超えた能力で医療をアシストする―」を開催した。
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がん患者の“見えない副作用”、アプリで可視化
「がん患者はこういうアプリを求めている」
がんの化学療法は、普段の生活をいつも通り送るために通院治療で行うのが一般的である。しかし、外来中心の治療では、在宅期間に起こる症状が医師に見えにくいという課題がある。そこで重視するべきなのが、患者が直接病気や症状を報告するPRO(Patient Reported Outcomes)だという。
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「複数医交代でのオンライン診療は可能」、厚労省
オンライン診療の運用ガイドラインまとまる
厚生労働省は2018年3月29日、「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会」の第3回会合を東京都内で開催した。この議論を踏まえて同月30日、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を公表する。
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時価総額トップ10がこぞって参入、米国デジタルヘルス動向
Kicker Venturesの清峰氏が「デジタルヘルスベンチャー祭り2018」で紹介
関連投資が活発な米国のデジタルヘルス業界では今、何が起きているのか――。日経デジタルヘルスが2018年2月5日に開催した『日経デジタルヘルス年鑑2018』発行記念イベント「デジタルヘルスベンチャー祭り2018」では、米国を拠点に活躍するベンチャーキャピタリスト、Kicker Ventures, C…
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ヘルスケアベンチャー、“現場”を持ち負の連鎖を断て
「デジタルヘルスベンチャー祭り2018」でIF Lifetime Venturesの木村亮介氏が指摘
日経デジタルヘルスが2018年2月5日に開催した『日経デジタルヘルス年鑑2018』発行記念イベント「デジタルヘルスベンチャー祭り2018」では、IF Lifetime Ventures 代表パートナー/インキュベイトファンド アソシエイトの木村亮介氏が登壇。「VCが見る国内デジタルヘルス業界の現状と…
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「PeOPLeは、ただのPHRではない」
慶応医学部 教授の宮田裕章氏が語る
「当時は政府の中にも、ただのPHR(Personal Health Record)だろうと考えている人もいた。しかし、このコンセプトには非常に重要な要素が含まれている」――。
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「仕掛学」から考える健康へのアプローチ
「問題設定を上手くすり替えよ」
本来とは異なるもう1つの目的をどう用意するか。それが「仕掛学」の肝だ――。さまざまなヘルスケアサービスが試行錯誤を続けている中、仕掛学という学問から考えると、健康に対してはどうアプローチすべきなのか。仕掛学を研究する大阪大学大学院経済学研究科 教授の松村真宏氏は、「第11回 LINK-J ネットワー…
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da Vinci手術の保険適用拡大、現場はどう見たのか
各科におけるda Vinci手術の第一人者がそれぞれ語る
ロボットを使う内視鏡手術、いわゆるda Vinci(ダヴィンチ)手術の保険適用対象が、2018年度診療報酬改定で大幅に拡大される。既に保険適用済みの前立腺がんと腎臓がんに加え、新たに肺がんや食道がん、胃がんなど12件に対するda Vinci手術が対象になった。
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厚労省の鈴木医務技監、ベンチャーへの期待を語る
イノベーション創出へ「行政も座して待ってはいない」
「我々のマインドセットは数年前に比べるとかなり変わった」――。厚生労働省が2017年7月に新設した次官級ポスト、医務技監を務める鈴木康裕氏はこう語る。その一端を示すのが、医療系ベンチャー支援に力を入れ始めたこと。もっぱら経済産業省の担当領域と考えられてきたベンチャー育成に、厚労省も積極的にコミット…
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慶応医学部ベンチャー大賞、第2回の優勝は果たして…
決勝大会を開催、応募77チームの頂点を競う
慶応義塾大学医学部が2018年1月28日に決勝大会を開催した、健康・医療分野のビジネスプランコンテスト「第2回 健康医療ベンチャー大賞」。応募77チームから書類審査と面接審査を通過した学生部門3チームと社会人部門3チームが登壇し、各部門の優勝を競った。審査員は、慶応義塾大学大学院医学研究科委員長/医…
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「医療にはビッグデータよりクオリティデータが必要」
経産省の江崎氏、AI活用の可能性と課題を語る
経済産業省 商務・サービスグループ 政策統括調整官(兼 内閣官房 健康・医療戦略室 次長)の江崎禎英氏は、2018年1月19日に京都市で開催された「第3回 デジタルヘルスシンポジウム」(主催:京都大学、ミクシィ)に登壇。「健康・医療情報を活用した予防政策の実現 ―医療分野における人工知能の役割―」と…
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ミクシィのヘルスケア、勝算は「数千万人を動かす力」
SNSやゲームで培った“コミュニケーション設計力”を活用
ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」やスマートフォンゲームアプリ「モンスターストライク(モンスト)」で知られるミクシィが2017年末、ヘルスケア事業への参入を表明した。子会社のスマートヘルスを設立し、介護予防に軸足を置いた事業を展開する。
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PHR活用、患者と医療者はどう向き合うべきか
恵寿総合病院の神野氏とCOMLの山口氏が対談
診療情報開示義務の指針が示されて20年。本来、カルテ情報は患者の求めに応じて広く開示され、医療機関をまたいだ連携医療に生かされ、さらにはPHR(Personal Health Record)として患者自らの意思で管理・活用することができる。こうした時代において、医療者や患者は情報にどう向き合うべきな…