太陽光発電の特異性を認識しよう

加藤 日本の太陽光発電は、主に太陽電池を中心とする電気側が主導して発展してきた。その利点もあるが、弊害もある。例えば、構造まで総合した視点に乏しいままであることである。こうした背景から、架台などの構造に対して、極端な例になるが、太陽電池モジュールの設置のしやすさばかり考慮し、安全性を疎かにする発想まで出てくる。

 また、電気といっても、太陽電池デバイスの従事者と、発電システムの従事者の間にまで縦割りがあり、このうち太陽電池デバイスの従事者が日本の太陽光発電を主導してきた。このため、太陽電池モジュール以降の発電システムとしての電気設計やパワーコンディショナー(PCS)については、端役的な位置づけになってしまっている。

 お互いに不可欠だという平等な立場から、それぞれの強みや課題を認識し、例えば、電気側の新たな技術や工夫に対して、構造側に生じる課題やその解消法などを議論しながら進めていくべきだ。しかし、残念ながら、日本の太陽光発電の分野には、まだそのような文化が育っていない。

 太陽光発電のこうした特異性を、行政も学会も認識して、これまでとは違う取り組みをしないといけないと思うし、PVRessQ!がその旗振りをしていきたいと考えている。