オランダ大使館のPaul op den Brouw氏
筆者が撮影
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欧州で有数の農業国であるオランダは、先進的な農業への取り組みに積極的なことで知られる。より効率的で、より高収益を目指すオランダの農業の中で、センサをはじめとするデバイスがどのように使われ、今後、どのようなデバイスが求められているのか。Wageningen University and Research CentreのJos Balendonck教授の研究成果を基にした温室栽培事例を紹介する。オランダ大使館 科学技術参事官のPaul op den Brouw氏による「Sensors and sensor networks in high-tech horticulture(plant factory) in the Netherlands」と題する講演をまとめた。

 オランダでは、温室による花や野菜、鉢植え植物の栽培が盛んである。温室栽培に取り組む3000社以上の小規模な農作企業があり、これらの企業が保有する温室の面積の合計は約100km2に達している。

 オランダにおける温室栽培には、いくつかの特徴がある。従事者1人当たりの設備などの固定資産額が大きい資本集約型の産業であり、技術革新に熱心で新たな手法がいち早く採用される分野だ。

 Brouw氏によると、背景には、オランダで温室栽培に取り組む企業は国際競争力を高めなければ生き残れないことがある。オランダで温室栽培の対象となる野菜や花などは、他の国では温室なしで栽培できるので他の国の農作企業以上の努力が必要になる。