今回のシリーズは、太陽光発電システムの構築や保守などで知られるネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ケ根市)の担当者に、メガソーラー(大規模太陽光発電所)のO&M(運用・保守)の状況などについて聞いている。第5回目となる今回は、同社の太陽光パネルのリユース(再使用)ビジネスを通じて蓄積された、中古太陽光パネルの検査・評価方法と劣化事例、その原因分析について紹介する。

――ネクストエナジー・アンド・リソースでは、太陽光パネルのリユース(再使用)ビジネスを展開してきたことで知られるが、どのような検査体制で性能を確認しているのか。

 太陽光発電システムのサイトから撤去された太陽光パネルを、中古品として再度販売するには、どの程度の発電性能を維持しているかを検査し、ランク付けする必要がある。当社ではまず、入庫したパネル(図1)を電解液に浸けて端子電極との絶縁が保たれているか検査する。次に洗浄して外観を検査し、ソーラーシミュレータでI-V特性を測定し(図2)、性能をラベル表示。そして、EL発光画像撮影(EL検査)を行う(図3)。EL検査によって、セルのクラックや発電に寄与しない領域を検出できる。I-V特性測定やEL検査は、太陽光パネルメーカーが、出荷する前に、確認する検査と同じものだ。

図1●ネクストエナジー・アンド・リソースが仕入れた使用済みの太陽光パネル
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図2●電流・電圧の特性(I-V特性)の測定風景
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図3●微小な光(近赤外線)を検知してクラック(割れ)を検出するEL検査
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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