再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT:feed-in tariff)が、メガソーラー(大規模太陽光発電所)による売電という新たな市場を生み出している。FITが定める20年間、発電した電力を固定価格で売電できる仕組みとはいえ、メガソーラー事業者が得ることができる利益には、導入する発電システムやその運用によって、大きな差が生じてくる。収益性の向上には、発電システムに関する技術への理解が欠かせない。今回の連載では、メガソーラーシステムの心臓部ともいえるパワーコンディショナー(PCS)国内最大手で、当サイトのアドバイザーでもある、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)のパワーエレクトロニクスシステム事業部PV事業推進室の伊丹 卓夫氏が、Q&A形式で利益を生み出すメガソーラー関連技術について、解説する。

伊丹 卓夫(いたみ・たかお)
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)・パワーエレクトロニクスシステム事業部・ PV事業推進室
1970年 新潟県立新潟工業高校電気科卒業、同年 東芝に入社、2003年 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)の設立に伴い転籍。1970年~1996年 モータ駆動電源装置、無停電電源装置ならびに電力貯蔵変換装置などの設計・開発に従事、1987年~1993年 通商産業省工業技術院サンシャイン計画に参画、住宅向けPV用パワーコンディショナー(PCS)の研究・開発に従事し、現在のトランスレスPCSの基本技術を確立。1994年~2002年 施設向け中容量PV用PCSの開発・システム技術に従事。2006年~メガソーラー用PCSの開発・技術に従事。現在、日本電機工業会(JEMA)のPV関連委員、日本電気協会(JEA)の系統連系規程改定作業会委員。