日経エレクトロニクス、日経ものづくり、日経Automotive Technology、およびTech-On!の専門記者・デスクが、それぞれの視点で2013年のトピックを取り上げ、総括します。
【年末特集】専門記者が振り返る2013年
目次
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社会にインパクトを与えた技術、この1年――日経BP社の専門記者200人が選んだ「テクノインパクトトレンド」
実は日経BP社には、技術系の専門記者が200人近くいる。分野は電子・機械系から、建築や医療、バイオ、IT関連まで多岐にわたっている。2013年、こうした専門記者全員で「今年、社会にインパクトを与えた技術」を選出し、それをランキングにした。
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HEMS、この1年――家電の遠隔操作を阻む法規制が改正に
2013年は、家電機器などの電力を管理する「HEMS(home energy management system)」の普及に向けた動きが加速した年だった。それを象徴するのが、2013年5月に経済産業省が実施した「電気用品安全法(電安法)」の技術上の基準の改正だ。
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工場とICT、この1年――M2Mやビッグデータでものづくりが変わる
M2M(Machine to Machine)やビッグデータに関連した先進的なICTによって工場を進化させようという動きが活発になっている。米General Electric社は「Industrial Internet」を提唱し、その実現に経営リソースを集結している。ドイツでは、官民一体プロジェク…
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次世代パワー半導体、この1年――素子開発の競争が激化、アジア勢の参入相次ぐ
SiCやGaNといった次世代パワー半導体は現行のSiベース品に比べて、インバータやコンバータなどで大幅な効率向上や小型化を見込める。2013年はSiCやGaNを用いたパワー素子の採用事例が徐々に増えるとともに、同素子の激しい開発競争が繰り広げられた。
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新製品開発の現場、この1年――技術者が企画も開発もする時代へ
ここ2~3年、新製品開発の現場で活用されている手法に興味を持って取材をしてきました。その手法とは、ユーザーの日常の行動を観察することで、ユーザー自身も気付いていない潜在ニーズを見つけ出そうとする「行動観察」や、顧客の声を製品の機能に転換し、そこで見えてきた技術的課題を過去の特許事例をヒントに新製品…
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半導体市場、この1年――メモリ価格が高止まりした異常な年
調査会社の米Gartner社が2013年12月4日(米国時間)に発表した世界半導体市場予測(速報値)によると、2013年の世界の半導体売上高は対前年比5.2%増の3154億米ドルになる見通しである(リリース)。WSTS(世界半導体市場統計)の2013年秋季予測を見ても、2013年の世界半導体市場は…
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1Dシミュレーション、この1年――業務での位置付けの確立に向けて、他ツールとの連携も強化
製品設計の初期段階で製品全体をシステムとして捉え、そのシステムのシミュレーションを通して性能を作り込む「1Dシミュレーション」を、設計業務の中で位置付け直す動きが目立ってきた。大まかには、1Dシミュレーションは部品形状などを詳細に決める前の構想設計段階で使うべきもの、と言えるが、具体的に開発設計業…
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シェール革命、この1年──日本へも波及、エネルギと樹脂の価格は下がるか
ここ数年、米国でシェールガスやシェールオイルの生産が本格化し、特に米国では天然ガスの価格が劇的に下がっている(図1)。しかし、日本はその蚊帳の外に置かれ、相変わらず高い天然ガスの購入を強いられてきた。
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無線通信、この1年――Bluetooth Low Energyがブレイク
2013年にブレイクした無線通信方式は何といっても、Bluetooth Low Energy(BLE)でしょう。Tech-On!の過去記事を検索しただけでも、以下のような記事が大量に見つかります。特に、活動量計などのいわゆる「ウエアラブル機器」への搭載が顕著となりました。ちなみに、2012年のTe…
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自動運転車、この1年――トヨタ、日産、ホンダが本格参戦
2013年の夏以降、日本における自動運転車の開発で明らかに潮目が変わった。日系完成車メーカー各社が開発中の試作車を国内で発表したことに加えて、関係省庁が公道で走行する環境を整え、政府からも支援の追い風が吹き始めた(関連記事のまとめ)。
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【写真でつづる】イプシロン打ち上げ、数々の試練を乗り越え最後は笑顔で
日本が12年振りに開発した国産の新型ロケット「イプシロンロケット」試験機。2013年9月14日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ついにその打ち上げを成功させた。しかし、そこに至る道のりは、平たんなものではなかった。ここでは、打ち上げ予定日として再設定された2013年8月27日の打ち上げの、前日で…
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ディスプレイ、この1年――湾曲など、デザインに自由を与える技術に注目
2013年のディスプレイ技術の発表を振り返ると、曲がるディスプレイをはじめとする、機器のデザインの自由度を高める技術提案が目を引く。大型テレビやスマートフォンのデザインを一新する技術として、発表が相次いだ。
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センサ、この1年――「トリリオン革命」始まる
2013年、センサの世界から社会に向けた新しい動きが始まった。毎年1兆個のセンサを活用する社会“Trillion Sensors Universe”を世界各国のデバイス/システム関連の企業がつくり上げようとしている。現在の100倍規模のセンサを随所に配置して、その情報を活用することで、非連続な成長…
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Intel vs ARM、TSMC、Qualcommこの1年~最大で最後のIDMを攻める水平分業の雄たち
日本にいるとなかなか実感できないが、半導体の月間世界売上高は2013年の9月に続いて10月も過去最高を記録した。業界悲願の年間世界売上高の3000億米ドル突破を、4度目の正直で今年(2013年)に達成する勢いがある。
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【写真でつづる】陸自装備品---観閲行進から開発中の「機動戦闘車」まで
2013年は、Tech-On!としては異例ながら陸上自衛隊の装備品をしばしば取り上げました。日本製鋼所室蘭製作所と東千歳駐屯地の第7師団の見学をセットにした1泊2日の取材ツアーや、いすゞ自動車が製造している軍用トラックの製造ライン見学、開発を進めていた機動戦闘車のお披露目取材など、これまであまり見…
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太陽電池、この1年――引き続きメガソーラーの建設に沸く
2013年を振り返ると、日本では2012年に引き続いて、メガソーラーの建設に沸いた。買い取り価格が2013年4月に42円/kWhから37.8円/kWhに下がっても、その勢いは止まらなかった。
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クルマの48V化、この1年――2016年後半の実用化へ向けて部品技術出そろう
2013年は自動車の電源電圧を一部48Vにしようとする48V化の動きが加速した。
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半導体メモリ、この1年――NANDもDRAMも3次元へのシフト始まる
2013年は、半導体メモリ技術が大きな分岐点を迎えた年だった。それを象徴したのが、メモリ業界最大手の韓国Samsung Electronics社が、3次元NANDフラッシュ・メモリ「Vertical NAND(V-NAND)」の量産を始めたと同年8月に発表したことだ。3次元NANDフラッシュ・メモ…
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燃費競争、この1年--軽セダンのJC08モード燃費は30.2km/Lから35.0km/Lに
JC08モード燃費を巡り、各社が激しく戦っている。「数字ばかりを追求するとドライバビリティなどが犠牲になる」という声もある。それでも技術力を示す指標になっていることは確かで、各社が力を入れる状況になっている。