当コラムでは、太陽光発電システムの専門家から、動き始めたメガソーラー(大規模太陽光発電所)の実態と運用・保守に関する課題を聞く。第2回は、前回に続き横浜市でEPC(設計・調達・建設)サービス企業を経営し、日本PVプランナー協会の理事でもある池田真樹氏に、太陽光パネルの監視システムの現状について聞いた。

日本PVプランナー協会理事(横浜環境デザイン社長)の池田真樹氏(出所:横浜環境デザイン)
日本PVプランナー協会理事(横浜環境デザイン社長)の池田真樹氏(出所:横浜環境デザイン)
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――国内でメガソーラーが次々と稼働していますが、太陽光パネルの発電量を監視して、不良品の発見や性能の劣化をチェックできるシステムになっているのか?

池田氏 国内のメガソーラーの場合、パワーコンディショナー(PCS)ごとに発電量を監視、データを蓄積しているのが一般的だ。1.5MW(1500kW)クラスで、かりに500kW機だと3台のPCSを設置することになる。1台のPCSが3000~4000枚もの太陽光パネルの発電量をまとめて監視することになる。発電量はもともとパネルごとに多少のばらつきはあるし、雲の動きや影のかかり具合などで時々刻々と変化する。10数程度の太陽光パネルに異常があり、発電量が大幅に低下していたとしても、PCSごとの発電量を監視して相互に比較しているだけでは発見することは難しい。

横浜環境デザインがEPCサービスを担当したメガソーラー(出所:横浜環境デザイン)
横浜環境デザインがEPCサービスを担当したメガソーラー
(出所:横浜環境デザイン)
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