エネルギー
 

メガソーラーに「停止」はつきもの、1カ月間以上、売電していなかった例も

日本PVプランナー協会理事(横浜環境デザイン社長) 池田真樹氏<第1回>

金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
2013/10/31 00:00
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2012年7月から施行された固定価格買取制度(FIT)によって、日本各地にメガソーラー(大規模太陽光発電所)が続々と稼働し始めた。だが、膨大な数の太陽光パネルを20年間、どのように監視し、どのように保守していけばよいのか。明確な解はなく、試行錯誤が続いている。当コラムでは、太陽光発電システムの施工から運用・保守に詳しい専門家から、動き始めたメガソーラーの実態と課題を聞く。第1回は、日本PVプランナー協会の理事で、横浜市で太陽光発電システムのEPC(設計・調達・建設)サービス企業を経営している池田真樹氏に聞いた。

――固定価格買取制度(FIT)によって、太陽光発電システムの運用はどう変わったのか

遠隔モニタ
メガソーラーの停止に迅速に対応するためにも、遠隔モニタリングシステムは必須に機能になってきた。画像は、横浜環境デザインが構築したモニタリング画面(出所:横浜環境デザイン)
[画像のクリックで拡大表示]

池田氏 FITが施行される前から、規模の大きな太陽光発電システムはあったが、CSR(企業の社会的責任)や研究開発の要素が強く、不具合で止まったとしても、目くじら立てて怒られることはなかった。「1週間で直します」などという悠長なことでも通用した。だが、FITによる太陽光発電は明確に「投資」になり、「kWh=売上」となった。「1日たりとも停めないでくれ」というのが事業者のニーズだ。

 当社でも自らの投資で千葉県に820kWの太陽光発電所を建設し、売電事業を始めたのでその気持ちはよくわかる。毎日の発電量(kWh)がお金に見えてくる。発電量を少しでも多く確保する運用・保守のノウハウが求められている。

45日間、停止に気付かなかったケースも

――日本には屋根に設置した太陽光パネルの歴史は長いはず。これまでの保守やメンテナンスのノウハウを生かせないのか。

池田氏 屋根など身近なところに小規模の太陽光発電を行うのと、離れたところに大規模な発電所を設置するのはかなり違う。風車のように可動部分のない太陽光発電は外から見ても異常に気付きにくいが、それでも目に見えるところに設置してあれば、専門家ならパワーコンディショナ―(PCS)などの音を聞けば異常があればわかる。しかし、離れたところで無人で稼働するメガソーラーの場合、稼働中にどんな不具合が起こり、それにどう対処すべきなのか、国内での先行事例がほとんどないだけに試行錯誤しつつ模索している段階だ。

――運用・保守を軽視したことによるトラブルなどは、すでに起きているのか?

池田氏 PCSが止まっているのを45日間も気付かず、この間まったく売電できなかったというメガソーラーの例を知っている。現場で定期的に実施する検針日の際に、売電量が「ゼロ」だったので、ようやく止まっていることに気付いたという。これは、異常をメールなどで知らせる警報システムや、遠隔監視システムを導入し、毎日だれかが発電量と売電量をチェックしていれば簡単に防げた。

 メガソーラーのオーナーになって、多くの人が意外に感じるのは、太陽光発電所は、予想以上に頻繁に止まるということ。当社が顧客の依頼で福岡県に建設した1.5MWのメガソーラーは今年3月の稼働以来、すでに3回も止まった。また、当社が自社で所有し、今年5月に稼働し820kWの太陽光発電所もすでに8月に1回止まった。これらは遠隔監視をしていたので、すぐに駆けつけて復帰させた。いずれもメガソーラー側には異常が見つからなかったので、電力系統側での何らかの異常があり、PCSがそれを感知して自動停止したのだと思う。

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