特集

<第3回>発電量を多く、信頼性を高めるために

メガソーラーの「作り方、動かし方」

2013/10/16 00:00
加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所
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 前回は、メガソーラービジネスのプレーヤーとその役割について解説した。第3回となる今回は、実際のメガソーラーの「作り方、動かし方」を紹介する。

 メガソーラーを建設するプロセスは、大きく五つに分けられる。第1に、立案と企画、第2に、設計、第3に、発注と各種の手続き、第4に、施工、第5に、発電開始と運営である。

 立案と企画では、メガソーラーを建設する場所や設置する太陽光発電システムの規模などを決める。次に、設計では、太陽光発電システムを設置する位置をはじめとする基本設計から、具体的な詳細設計などへと移行する。こうした設計と同時に、さまざまな法令に基づく届出や手続きを進めておく。

 その後、実際の建設に使う土木工事や電気工事に向けた発注を経て、いよいよ施工に取り掛かることになる。くい打ちや基礎工事を終えると、架台を組み立て、太陽光パネルを取り付ける。そして、検査を経てから、発電を開始する。発電を始めてからは、維持管理を続けていく。

適切な設計、調達、施工でトラブルを防ぐ

 太陽光発電に詳しい、産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター システムチーム長の加藤和彦氏によると、「まだ商業発電としての歴史が短い太陽光発電だが、しっかりした設計で、しっかりした太陽光パネルなどの選定で、しっかりした施工をすれば、発電を始めてから、設備上のトラブルがそう簡単には起きない。しかし、甘い認識で取り組んだ場合も見受けられ、設備上の大きなトラブルが多く起きかねない状況に見える」と、単純な構成ゆえに、信頼性を十分に配慮せずに発電事業に取り組むケースが見られがちな現状に警鐘を鳴らす。

 実際の建設では、まず、その土地と、採用した太陽光パネルに最適な基礎工事、最適な架台を選択し、最適な施工によって設置する必要がある。基礎工事も架台も、そのものが発電に直接寄与するものではないことから、できるだけシンプルな基礎工事で、できるだけシンプルな架台を、できるだけ簡易に設置できることが事業性の点では望ましい。

 このうち、架台については、強風や積雪、塩害などにも耐えうる強度を確保しつつ、低コストで、かつ、施工性の良さが問われる。

 また、メガソーラーでは、限られた面積に設置する太陽光パネルの枚数が多いほど、かつ、太陽光パネルを設置する場所の日射状況が良好なほど、収益が増すことから、周辺の気象データなどに基づいて、架台の角度や太陽光パネルを設置する間隔を決める必要がある。例えば、太陽光パネルの間隔を狭めすぎると、隣接する太陽光パネルの陰に入ってしまい、発電量が減ってしまう可能性がある。しかし、間隔を広げすぎると、発電所全体に設置する太陽光パネルの枚数が減少してしまうため、そのバランスを考慮する必要がある。

 メガソーラーの建設におけるコストの内訳は、1MWの場合で、大まかに太陽光パネルが約35%、架台や基礎工事、設置工事などの土木関連が約15%、パワーコンディショナー(PCS)や受変電設備、電気工事などの電気関連が約4割弱、残りが関連企業へのマージンとみられる。

メガソーラーの建設と運用の手順(新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「大規模太陽光発電システム導入の手引書」を基に、日経BPが作成)
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