スキーヤーやスノー・ボーダーの間で知る人ぞ知るHMDがある。スポーツ用品を手掛ける米Oakley社の「Airwave」がそれだ。2012年秋に米国で発売され、2012年12月に日本に上陸した。同社のゴーグルの高級品に比べて、2倍近い5万9800円という値段ながら、発売するやいなや日本での販売分はすぐに完売。海外でも品薄状態が続いているという。
オークリージャパンによれば、購入者の年齢層の中心は、30歳代後半から40歳代。スキーやスノーボードなどを趣味として頻繁にプレーする人々で、「自分の成績・記録に対して関心が高い」(同社 スポーツマーケティングの田中全亮氏)とする。
Airwaveでは、こうした需要に応えるように、走行距離や標高、滑走速度、降下高度、ジャンプの滞空時間や高さなどを、ゴーグル内側に配置されたHMDの表示部で確認できる(図1)。HMDによってこうした各種記録をリアルタイムで視聴できる点が好評だという。
Airwaveは、Oakley社のゴーグルとカナダRecon Instruments社の小型で片眼の非透過型のHMDを組み合わせた。表示部は428×240の画素で、1.5m先に11型相当の映像を見られる。画角は対角で10度。HMDに搭載された3軸の加速度/ジャイロ/地磁気センサの他、温度センサや気圧センサを利用して各種記録を取得する。操作は、腕などに取り付ける専用の小型リモコンで行う。
スマートフォンに専用のアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)をダウンロードすれば、スマートフォンとHMDをBluetoothで接続して、電話着信やメールの確認の他、音楽を再生できる。
GPSを搭載しており、現在地や方位、Airwaveを身に付けた仲間の位置を確認することが可能である。有名なスキー場の地図データも配信している。日本では約30のスキー/スノーボード場の地図に対応している。
Airwaveに対するユーザーの評価は好評だが、カメラ機能を求める声が多いという。