(1)のサービスを実現する環境の整備としては、スマートフォンやクラウド・コンピューティング技術の普及、ソフトウエアにかかわる薬事法改正の動きなどがある。中でも、ワイヤレス・ヘルスケア市場の拡大に向け、大きなインパクトをもたらしたのが米Apple社の「iPhone 4S」である。iPhoneでは同機種からBluetooth 4.0(従来のBluetoothと低消費電力版のBluetooth Low Energy(以下、BLE))に対応しており、Bluetoothのプロファイルをアプリケーション・ソフトウエア側に実装して追加できるようになった。これにより、iPhoneとBLEを利用したワイヤレス・ヘルスケアのサービス開発が容易になったのだ。ヘルスケア用途に向けてBLEモジュールの拡販を積極的に進める村田製作所は、「iPhone 4Sの登場は、間違いなく『変曲点』になっている。これをキッカケにサービス開発が活発になり、現在もさまざまな案件の開発が水面下で進められている」(同社 通信事業本部 コネクティビティ商品事業部 ソリューションサービス部 システム開発課 係長の西村哲氏)と語る。
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