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HOMEクルマテクノインパクト トレンド2013 > 大型セダンで最高燃費の30km/Lを実現した2モータ式ハイブリッドシステム

テクノインパクト トレンド2013

大型セダンで最高燃費の30km/Lを実現した2モータ式ハイブリッドシステム

  • 推薦者:林 達彦=日経Automotive Technology
  • 2013/10/23 00:00
  • 1/1ページ
アコードハイブリッド
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 ホンダが2013年6月に発売した大型ハイブリッドセダン「アコードハイブリッド」のハイブリッドシステムは、これまでの1モータ式、2モータ式の技術の常識を打ち破り、トヨタの「プリウス」の燃費32.4km/Lに迫る燃費を大型車ながら達成した革新的技術。新たに2モータ式の新ハイブリッドシステムを実用化し、大型セダンとして初めて燃費(JC08モード)30.0km/Lを達成し、他車のこれまでの最高燃費23.4km/Lを大きく上回る画期的な性能を実現した。日本のハイブリッド技術に大きなインパクトを与えたほか、今後プラグインハイブリッド車にも広く適用できる可能性があるなど、将来の環境車開発を大きく前進させた。

ハイブリッドシステム
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 ハイブリッド車ではトヨタ自動車が開発した2モータの「THS」方式が広く普及している。一方、ホンダはこれまで1モータの「IMA」方式を採用していた。しかし、モータ出力が小さい、モータだけで走行できる範囲が短いという欠点があり、燃費の向上効果はトヨタに及んでいなかった。そこで、アコードではモータ出力が124kWとエンジン並みに大きい、新しい2モータ式の「i-MMD(intelligent Multi-Mode Drive)」を開発した。

 この技術は、モータだけでの走行、エンジンを回して発電機で電力を発電しながらモータで走るシリーズハイブリッド走行、エンジンの力で直接ホイールを回すエンジン走行の三つを実現するもの。一般にエンジンの効率は、発進および加速時、低速走行時に低く、高速の定常走行では高くなる。このため、低中速域ではモータを積極的に使い、電気自動車のようにモータで走る割合を大きくし、高速域ではエンジンの力をそのまま車輪に伝える。

 例えば、60km/hではモータでの走行と、シリーズハイブリッド走行が、走行時間の割合で1対1になるように制御する。モータで走っている場合は、ガソリンを使わないので、燃費を大きく向上できる。一方、速度が100km/h以上になると、エンジンの駆動力で走るようになる。このとき、走行負荷が大きければモータでアシストし、小さい場合は発電機で充電して、電力を蓄える。搭載した電池の充電量が増えてくれば、高速でもエンジンを止めて、モータだけで走る。100km/hの場合はモータで走る割合とエンジンで走る割合が1対2になる。

 これまでの最高燃費を大きく上回るためには、エンジンの熱効率、高電圧系(モータ、インバータ、電池)の効率、減速時の回生エネルギの回収率といったすべての効率を高める必要があった。エンジンでは、アトキンソンサイクルやEGR(排ガス再循環)クーラ、電動の可変バルブタイミング機構、電動エアコンコンプレッサ、電動ウオータポンプなどの技術を適用し、熱効率として38.9%と既存エンジンの中で最高効率を実現した。

 また、高電圧系もすべての設計を見直し、モータだけで走った際の損失を低減しクラストップレベルの効率を達成した。さらに、新たに開発した回生協調ブレーキによって減速時のエネルギを効率よく電力として回収し、燃費向上に貢献させた。

アコードハイブリッドの走行モード
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