セガが開発したトイレ用サイネージ「トイレッツ」。 男性用小便器で用を足しながらゲームを楽しめるという“斬新”なアイデアのみならず、 サイネージとしても高い広告効果を備える。 単なるゲーム機でもサイネージでもない、この新しい商品はいかにして誕生したのか。
連載
デジタル・サイネージ「トイレッツ」の開発
目次
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最終回:救世主は1000人分の“おしっこ”(下)
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第5回:救世主は1000人分の“おしっこ”(上)
<前回のあらすじ> 2006年に発案され、研究開発が始まったトイレッツ。だが2008年から2009年末まで、研究開発はいったん凍結されてしまう。この状況を変えたのが、町田裕孝を中心とする新メンバーたちだった。トイレッツの開発は再開され、広告効果を測る試験を実施する。その結果、効果があることが実証され…
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第4回:大切な一枚の写真(下)
「いやー、面白そうなんだけど、食べ物や飲み物の映像をトイレに表示するっていうのは、どうもねぇ…」 トイレッツの次の検証試験の場として町田たちが選んだのが、居酒屋だった。居酒屋で販売する食べ物や飲み物の情報をトイレッツのディスプレイに表示して、売り上げ増につなげる。これが、町田が描いた構想だった。
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第3回:大切な一枚の写真(上)
<前回のあらすじ> セガの十文字新が発案した、「おしっこ」をしながら楽しむゲーム。このアイデアに興味を持ったメンバー数人が、本業の空き時間を利用して開発に取り組み始める。尿の勢いや量などを検出するのに適した手法を見つけたものの、ビジネスモデル面で行き詰まり、その研究開発は2008年からいったん凍結さ…
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第2回:少年時代の遊びに原点あり(下)
「なあ、“あれ”を何とか事業化したいと思っているのだが…」 2009年末。同僚から突然こう切り出されて、町田は少々戸惑った。何せ、この同僚と共に取り組んでいる仕事とは全く関係ない案件だったからだ。“あれ”とは、2008年から事実上開発がストップしているトイレッツのことである。町田に話を持ちかけてきた…
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第1回:少年時代の遊びに原点あり(上)
友達とおしっこの勢いを競ったり、真っ白い雪の上におしっこで文字を書いたり。男性なら誰でも一度は経験したことがある子供時代の遊びをそのままゲームにした、ユニークな機器がある。その名は「トイレッツ」。セガが2011年11月に発売したデジタル・サイネージである。