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「1億円のエネルギーで40億円の価値を生めるか」、東電の節電基準

電力会社が進める顧客向け省エネ・コンサルティングとは(上)

加藤 伸一=ジャーナリスト
2013/08/30 00:00
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東京電力の宮内 亮二氏
筆者が撮影
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図1 東京電力のエネルギー・コンサルティングは石油危機に発端
(出典:ナノ・マイクロ ビジネス展(7月3日~5日、東京ビッグサイトで開催)と併設の「社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト(平成23~26年度) グリーンセンサ・ネットワーク(GSN)プロジェクトセミナー」での宮内氏の講演「センサネットワークを活用した東京電力のエネルギー・コンサルティング」)
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東京電力は、エネルギー・コンサルティングのスタイルを従来の設備更新提案型から運用改善提案型へ変えようとしている。運用改善提案型では、センサで計測したデータを生産プロセスの状況把握につなげることが鍵となる。以降、東京電力の宮内 亮二氏(同社カスタマーサービス・カンパニー 法人営業部 エネルギー解析イノベーショングループ課長代理、写真)が講演した内容を編集したものである。続編の「「生産を減らさず電力ピークシフト」、東電がセンサで実現」と併せてお読みいただきたい。

 東京電力がエネルギー・コンサルティングに取り組む契機となったのは、1973年に起こった第1次石油危機である(図1)。第4次中東戦争にともないOPEC(石油輸出国機構)の加盟国などが原油の生産量を減らし、石油の供給が不足し価格は高騰した。東京電力は、1977年、社内に省エネルギーセンターを創設した。省エネルギーセンターの目的は、顧客側の省エネを推進していくことにある。

 創設して以降、同社はエネルギー需要にかかわる“災難”に見舞われているとも言える。

 1980年には第2次石油危機が勃発、再び石油供給がタイトになって、再び顧客に省エネを依頼することになった。1987年7月には、首都圏の約280万戸への電力供給が停止するという広域停電が起こってしまった。原因は、猛暑による冷房向け電力需要の高まりに対して、発電所などの電力供給インフラが不足していたことである。

 2000年以降は、電力の小売りが部分的に自由化されたことで、我々は自社で培った省エネのノウハウを顧客に提供し、これを電力自由化時代の新たな競争力の一つとしてきた。

 また2007年の新潟県中越沖地震、2011年の東日本大震災によって、原子力発電所の運用を停止し、東京電力の電力系統(発電・変電・送電・配電を統合したシステム)から原子力発電を外している。電力は再び不足するようになった。我々は、顧客に節電や省エネを説き、エネルギー・コンサルティングも強化している。

 このように、省エネルギーセンターの創設以降の東京電力の活動は、「省エネ→節電→省エネ→節電」というサイクルの繰り返しであった。

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