円安を追い風に、スマートフォンなどの需要を取り込んだ国内エレクトロニクス業界が潤い始めた。といっても海外大手との比較では依然として負け組だ。よく似た状況が10年前にあった。デジタル家電で業績を回復させた2003年度である。当時『日経マイクロデバイス』が特集した「これで良いのか?日本の半導体とディスプレイ」(2004年7月号)を載せた。記事が指摘している「(半導体業界における)成長シナリオ崩壊の可能性」は現実となっていないが、世界における国内エレクトロニクス勢のポジションは、決算を見る限り、多くの企業で当時より沈んでいる。社会インフラ分野など、非エレクトロニクス領域を含む市場の開拓が、本物の復活へのカギとなる。
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