音声品質に揺らぎが与える影響

 最後に揺らぎが音声品質に与える影響を見ていきましょう。今回は揺らぎ幅を0から200ミリ秒、最大の変異を25ミリ秒、パケット損失率0%に設定しました。まず音声遅延時間の測定結果を図8に示します。

図8●揺らぎ発生時の音声遅延時間
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 揺らぎを発生させた場合、ネットワークエミュレーションを実行していない場合と比較して音声遅延の時間差が大きくなっています。更に、音声遅延時間の測定に失敗する個所がありました。これは、音声データの到着間隔の差が大きくなりジッタバッファの許容量を超えた結果、再生されない音声データが存在したためだと考えられます。

 また、WiresharkのRTPストリーム解析を見ても、揺らぎが発生した状態では、Mean Jitter(平均揺らぎ値)が15.95ミリ秒となっており(図9)、ネットワークエミュレーションを実行していない状態の7.57ミリ秒の倍の値となっていました(図10)。

図9●揺らぎが発生した状態におけるRTPストリーム解析結果
Wiresharkの「Telephony」メニューから「RTP」「Show All Stream」を選択すると表示されるダイアログから対象の音声ストリームを選択すると、RTPストリーム解析結果が表示されます。
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図10●通常状態におけるRTPストリーム解析結果
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