パケット損失が音声品質に与える影響

 次にパケット損失が音声品質に与える影響を見ていきましょう。まずパケット損失率と音声遅延時間の関係を図6に示します。パケット損失率の増加と音声遅延時間には、比例関係はないようです。

図6●パケット損失と音声遅延時間
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 しかし、パケット損失率の増加に伴い音声遅延時間の測定に失敗する回数は増加しました(表1)。

表1●パケット損失率と音声遅延時間測定成功率
パケット損失率(%) 測定成功数 測定失敗数 測定失敗率(%) RTP総数(※) RTP損失数 RTP損失率(%)
0 215 0 0.00 12200 0 0.00
5 206 9 4.19 12310 740 6.01
10 191 34 11.17 12433 1227 9.80
20 168 47 21.87 12483 2449 19.62
30 158 57 26.52 12694 3757 29.60
※RTP総数とはRTPパケットのシーケンス番号から算出可能な本来到着するRTPパケットの総数

 これは、パケット損失率の増加に伴って再生できない音声データも増加したために、VoicePingerで測定タイムアウトが発生したと考えられます。

 次にパケット損失が増加した場合の音声品質測定結果を図7に示します。

図7●パケット損失率の増加と音声品質
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 今回の結果を見る限り、パケット損失率が増加すると、音声品質が劣化すると言えるでしょう。これは、RTPパケットが伝送中に損失することにより、音声データを不完全な状態で再生しなければならないからです。