SIPアカウントの登録と着信時の動作を設定

 インストールしたAsteriskをSIPサーバーとして使用するために、Asteriskに対してSIPアカウントの登録と着信時の動作を設定する必要があます。Asteriskではテキストベースの設定ファイル(/etc/asteriskディレクトリに格納)を編集することで設定の変更が可能です。環境に合わせてファイルを編集します。

 今回構築する環境では、2台のスマートフォンにインストールしたソフトフォン間のパケットの流れを調べるため、2つのアカウントを定義する必要があります。今回測定で変更した設定ファイルの一覧を表2に示します。

表2●設定が必要なファイル
名称 用途 場所
sip.conf SIPアカウントや内線番号を定義します。それ以外にDTMFやRTPの経路、コーデック等も設定します。 /etc/asterisk/sip.conf
extentions.conf sip.confで定義した内線番号ごとのダイヤルプランを設定します。ダイヤルプランとは、発信・着信時にどのような挙動をさせるのかを定義した計画のことです。 /etc/asterisk/extentions.conf

 また、各ファイルの設定内容を図2図3に示します。

図2●sip.conf
図2●sip.conf
図3●extentions.conf(追加部分のみ抜粋)
図3●extentions.conf(追加部分のみ抜粋)

 今回の測定環境は閉じたネットワークの内部で実施することが前提となっているため、セキュリティは考慮していません。SELinux機能の無効化やファイアウォールなどのセキュリティに関連する設定は、実環境の状況に合わせるようにして下さい。

 また、Astriskのインストール方法や設定方法については、日本語、英語を問わずインターネット上に多くの情報が公開されています。興味のある方はそちらも参照して下さい。

 今回構築した環境で米Shunra Softwareのソフトウエアテストのためのネットワーク仮想化ツール「Shunra NV for Mobile」を用いてネットワークの状態の変化させ、遅延やパケット損失、揺らぎが音声品質に与える影響を見ていきます。