なお、通信方式の違いによる音声遅延、音声品質の差については前回の特集(IT pro)で調査しているため、今回の測定では無線LAN(IEEE802.11n)のみで調査しました。

音声遅延を測定、IP電話の品質クラスと比較

 表1で示した各サービスの音声遅延について、各測定時間帯のなかで3分間(およそ1秒に1回測定)音声遅延を測定します。なお、音声遅延を測定する仕組みについては、前回の特集(IT pro)の第1回「音声遅延とは何か、どうやって測定するのか」を参照して下さい。

 では、早速音声遅延の測定結果を見てみましょう。今回測定対象とした各サービスの音声遅延測定結果をまとめたのが表2です。

表2●音声遅延測定結果
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 いずれのサービスも前回の特集(IT pro)第3回「LINEやcommなど無料通話アプリの音声遅延」と同じような結果となっています。特にSkypeの音声遅延時間はIP電話の品質クラス(表3)のクラスB相当となっており、携帯電話並みであることがわかります。

表3●対象サービス
  クラスA
(固定電話並)
クラスB
(携帯電話並)
クラスC
(050番号許可)
総合伝送品質率(R値) 80を超える 70を超える 50を超える
End-to-End遅延(片方向遅延) 100ミリ秒未満 150ミリ秒未満 400ミリ秒未満
※:「固定電話並」「携帯電話並」とは、それぞれ電話品質に注目した場合を表す

 しかし、commの朝以外の時間帯とLINEの音声遅延時間は400ミリ秒を超えており、IP電話の品質クラスの範囲外となっています。なお、この結果はあくまでも一例であり、必ずしも常時この結果が出るわけではありません。また品質クラス範囲外となっていても、必ずしも通話できないわけではありません。