センサによる店舗のモニタリングを利益向上の強力なツールとして活用しているセブン-イレブン・ジャパン(関連記事)。省エネを目的に、コロッケなど揚げ物を揚げるタイミングを変えると、売り上げが増えることを発見した。以下、同社の取締役 常務執行役員の三谷 庸氏がセミナーで「スマートセンサー 流通ビジネスへの展開」と題して講演した内容を編集した。

図6 空調機のフィルタの清掃で電力使用量は大幅改善
出典:ナノ・マイクロ ビジネス展(7月3日~5日、東京ビッグサイトで開催)と併設の「社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト(平成23~26年度) グリーンセンサ・ネットワーク(GSN)プロジェクトセミナー」での三谷氏の講演「スマートセンサー 流通ビジネスへの展開」
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図7 揚げ物は一気に作る方が省エネに
出典:ナノ・マイクロ ビジネス展(7月3日~5日、東京ビッグサイトで開催)と併設の「社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト(平成23~26年度) グリーンセンサ・ネットワーク(GSN)プロジェクトセミナー」での三谷氏の講演「スマートセンサー 流通ビジネスへの展開」
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揚げるタイミングを変える

 センサ・データに基づき改善策を実施した効果があった例として、三谷氏は空調機のフィルタの清掃が、電気使用量に与える影響を示した。清掃を約1カ月間しなかった場合と比べて、清掃した翌日の電力量は37%減った(図6)。

 コロッケなどの揚げ物用の設備(フライヤー)の使い方によって、省エネと売り上げの増加の両方を実現した例も同氏は示した。フライヤーの電源を入れ続けている場合と比べて、販売のピークの前にまとめて作り、それ以外の時間帯は電源を切る場合は、電気使用量が減るばかりか、売り上げも増えたという(図7)。