図1
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図2
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 「人体の見えなかった部分を可視化する」「ヘルスケアや介護で見守りコストを大幅に減らして事業化の敷居を下げる」「構造物の劣化による危険を見逃さずに保守・補修のコストを激減させる」――。

 ここへきて、半導体や電子部品のメーカーから、医療・ヘルスケア・介護・建設などの分野に向けた提案が相次いでいる。半導体・電子部品メーカーは、スマートフォンやパソコンなど民生機器を主な事業領域としてきたが、そこで実績のある高信頼かつ低コストの技術や新規開発の技術を取り入れて、適用範囲を非民生機器分野に拡大する狙いだ。

 半導体を主力とするロームは、半導体の応用範囲を業界の中でも早くから民生機器以外に広げようとしてきた(関連記事1)。同社常務取締役研究開発本部長の高須秀視氏は、開発方針として「20年前からMore than Moore(モア・ザン・ムーア)を掲げてきた」と言う(関連記事2)。主にパソコンやサーバー向け半導体の性能向上の指針である“Moore(ムーア)の法則”に背を向け、応用範囲の拡大に適した開発を進めてきたのである(図1、2)。