今後、移動通信システムにおいてスモールセルに投資の比重が移っていくのは間違いない。スモールセル関連の業界団体、Small Cell Forumによれば「2012年から2016年のわずか4年間で、スモールセルの出荷台数は8倍になる」という(図6)。2016年には、スモールセルの市場規模は220億米ドル(1米ドル=100円換算で、2兆2000億円)まで膨らむとする。

図6 2016年には2兆円超の市場に
図6 2016年には2兆円超の市場に
スモールセルの市場は、2012年から2016年の4年間で約8倍になると予測されている。(図:Small Cell Forumの資料を基に本誌が作成)
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 この巨大市場を新規事業のチャンスと見て、既に多くの企業が動き始めている(図7)。これまでの基地局向けビジネスとは異なり、携帯電話機や無線LANに強いエレクトロニクス企業、コンピュータ・システム向けのネットワーク企業が参入してきているのが変化点だ。スモールセルだけでなく、モバイル・トラフィックの増大を吸収する現実解として、無線LANネットワークとの統合化も開発が加速している。

図7 スモールセル市場に熱視線
図7 スモールセル市場に熱視線
スモールセルに関連する最近の主な話題をまとめた。基地局メーカーだけでなく、移動端末市場を主戦場とする半導体メーカーや部品メーカー、さらにはCisco Systems社といったネットワーク企業も期待を寄せる。
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 エレクトロニクス企業の中でも、活発な動きを見せているのが半導体メーカーだ。こぞって小型化/低消費電力化に向けた基地局向け製品を発表している。