これまで移動通信の基地局は、ビルの屋上などに設置されるような大きなエリアをカバーする「マクロセル」が中心だった。しかし、今後は爆発するトラフィックや通信に利用する電波の高周波数化に対応するため、その主軸が「スモールセル」に移行する。この時代に向けて、移動通信事業者や標準化団体、半導体メーカーなどが動き始めた。
連載
小型基地局がすべてを覆う
目次
-
第4回 端末向けデバイスをスモールセルに応用
基地局メーカーの要求に応えるため、携帯電話機で培った小型化技術を基地局向けに展開する動きも目立ってきた。
-
第3回 4年間でスモールセル市場が8倍に
今後、移動通信システムにおいてスモールセルに投資の比重が移っていくのは間違いない。スモールセル関連の業界団体、Small Cell Forumによれば「2012年から2016年のわずか4年間で、スモールセルの出荷台数は8倍になる」という。2016年には、スモールセルの市場規模は220億米ドル(1米ド…
-
第2回 スモールセルに舵切る標準化団体や先進企業
市場でスモールセルへの期待が集まるにつれて、標準化の議論も本格化してきた。舞台は、3GPPである。3GPPは現在、LTE-Advancedの後継仕様である「Release12」(2014年6月には策定終了予定)、さらにその先の「ポストLTE-Advanced」の構想も含め、各社が想定する2020年に…
-
第1回 スモールセルが主役に
移動通信システムが、変革の時を迎えている。これまでの大型の基地局「マクロセル」から、小型の基地局「スモールセル」に主役が交代するのだ。今後、スモールセルが街の至る所に展開され、ユーザーにストレスを感じさせない移動通信網を構築する道筋が見えてきた。