鉄道事業者が用いる電力量の約20%を占める駅舎での消費電力は、年々増加傾向にある。その流れを止めようと、太陽光発電システムやLED照明などが駅舎に投入されている。

 その好例が、JR東日本が進める「エコステ」である。最初のモデル・ケースとして選ばれたのが、東京の四ツ谷駅だ(図10)。同駅は、2012年春にエコステの第1号になった。駅舎や隣接する商業施設の屋上に太陽光発電システムを導入し、駅舎だけで50kWの出力を備える。

図10 駅舎にLED照明や太陽光発電システムなどを導入
JR東日本は、省エネ技術や再生可能エネルギーなどを駅舎に導入する「エコステ」に取り組んでいる。そのモデル駅第1弾として、四ツ谷駅にLED照明や太陽光発電システムなどを導入した。(イラスト:JR東日本)
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 ホームやコンコースの照明にはLEDを採用した。駅名などを表示する電気掲示器や車掌用モニター装置のバックライトにもLEDを用いる。この他、昼間に電灯を消灯できるように採光用の天窓を設置した他、駅業務施設に家庭用燃料電池を導入した。

 こうした取り組みにより、四ツ谷駅でのCO2排出量を2008年度比で、約40%削減するのが目標である。JR東日本によれば、エコステを順次増やすという。四ツ谷駅の次は、千葉県のJR海浜幕張駅を予定している。