新サービスや広告事業拡大に向けた新技術が、駅舎などの付帯設備に投入され始めた。 一方、サービス拡充や駅内施設の増加などから、駅舎での消費電力は増大傾向にある。そこで、太陽光発電システムやLED照明などの省エネ技術の採用も活発化している。

 鉄道車両だけでなく、駅舎のような付帯設備も先端技術の実証の場になってきた。具体的には、「位置情報サービス」「デジタル・サイネージ」「高速データ通信」「省エネ」に関する技術である(図1)。

図1 付帯設備も先端技術の実証の場に
駅舎のような付帯設備も、先端技術を実証する場になっている。例えば駅構内で、スマートフォンの無線LAN機能やAR機能を活用した位置情報サービスの提供が始まった。データ通信分野では、時速200km超で走行する列車で、数百Mビット/秒の通信を可能にする技術の研究が進んでいる。(写真:上からJR東日本、ジェイアール東日本企画、UQコミュニケーションズ、パナソニック)
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 駅構内はGPS信号が入りにくい場所でありながら、駅の魅力を高めるために位置情報サービスの導入意欲が高い。そのため、無線LANやAR(拡張現実感)技術を使ったスマートフォン向けの位置情報サービスの導入が始まっている。

 デジタル・サイネージに関しては、高い広告効果を期待できることから、広告売上高は右肩上がりだ。さらに、次世代のサイネージ技術の実証も始まっている。例えば、顔認識技術を導入したサイネージ機器を駅舎に設置して実証試験が行われた。